【コラム】発火の危険アリ⁉ リチウムイオン電池を知ろう!





近年よく聞く「リチウムイオン電池」のこと、
皆さんはどのくらいご存知でしょうか?
……やっぱり「発火事故が多い」
というイメージがありますよね。
リチウムイオン電池内蔵の製品が
可燃ごみに混ざって捨てられていて、
収集車や集積所から発火…というニュースとか。

捨て方要注意な製品の割に、
いまいちどうやって処分すればいいか分からない!
そもそも、
なんでリチウムイオン電池だけ
そんなに発火しやすいの?
私も知らないことだらけだったので、
今回のコラムでまとめていきたいと思います!
そもそも「リチウムイオン電池」とは?

リチウムイオン電池とは、
繰り返し充電して使える
「二次電池(充電池)」の一種です。
🔋 リチウムイオン電池が使われている代表的な製品
  • スマートフォン・タブレット
  • ノートパソコン
  • モバイルバッテリー
  • ワイヤレスイヤホン
  • 電子たばこ
  • 携帯ゲーム機
  • 電気自動車(EV)
などなど……

充電して繰り返し使う電子機器(特に小型機器)の多くにリチウムイオン電池が使われています。
✨ リチウムイオン電池の良いところ
従来の電池に比べて、
  • 軽い、小さい、なのに大量のエネルギーを蓄えられる
  • 強い電圧を出力できる
  • 自然放電(使わないで置いておくだけで自然と電池が減っていってしまうこと)が少ない
これらは、乾電池やリチウムイオン以前の他の蓄電池にはなかった特徴です。
💡 豆知識:すごい功績!世界を変えたリチウムイオン電池
実はリチウムイオン電池は世界的な大発明!
1990年代に実用化・商品化された技術で、
開発に関わった吉野彰氏をはじめとする
3名の研究者が2019年にノーベル化学賞を受賞しています。
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リチウムは、電池の材料として理想的な性質を持っています。

とても軽く、電気を生み出す力が大きい。

だから「軽くて高容量の電池が作れる」素材として、古くから有望視されていました。
しかし、リチウムを使った充電池は、
充電を繰り返すうちに発火してしまうことがあり、なかなか安全に商品化することができなかったのです。
壁をひとつずつ乗り越え、
様々な研究の結晶としてできあがったのが
リチウムイオン電池というわけです。

(詳しい研究の内容はここでは割愛しますが、興味のある方はぜひ調べてみてください!)
小さくて軽くて高容量な
リチウムイオン電池が誕生したことで、
スマートフォン・ノートパソコン・ワイヤレス機器といった"持ち運べる電子機器"の時代が実現しました。

さらに、電気自動車や再生可能エネルギーの蓄電池としても中核を担い、脱炭素社会の鍵とも言われています。
ノーベル賞の授賞理由でも
「充電式の世界を作り、化石燃料に依存しない社会を可能にした」といった評価がなされています。
なんで発火事故が起きやすいの?

大前提として、
長年の研究によってできあがった
リチウムイオン電池は本来は化学反応が少なく、
安全性の高い仕組みで動いています。
(だからこそ商品化が実現できているのです!)
「ではなぜ発火事故が起きやすいのか?」
それは小型で高性能を追求しているからこその
リスクと言えます。
リチウムイオン電池は「小型+高出力」を
実現するための工夫のひとつとして、
そもそも「燃えやすい液体(有機溶媒の電解液)」が使われています。
一方、商品化が実現されて以降も
「より多くのエネルギーを、より小さく」と
性能を追求して進化してきました。
そのぶん内部のエネルギー密度が高まり、
衝撃や発熱などのトラブルへの耐性が
より小さくなっていった…

ざっくり言うとこのような理由です。
やってはいけない!危険な扱い方⚠
  • 強い衝撃を与える(落とす・ぶつける)
  • 押しつぶす、穴を開ける、分解する
  • 高温の場所に置く(真夏の車内、直射日光、暖房器具のそば)
  • 水にぬらす
  • 膨らんだり変形したりしたまま使い続ける
    (電池の劣化や異常によって内部でガスがたまっているサインです!)
  • 純正でない充電器や、粗悪なバッテリーを使う

こうした行為は電池の内部を傷つけ、
発火・破裂につながるので要注意です。

「小さいからちょっとくらいいいや」
と可燃ごみに混ぜて捨ててしまうと、
ごみ収集車の中や、処理施設で
ギュッと押しつぶされてたちまち発火!

ということになってしまいます……😱
可燃ごみ・不燃ごみには絶対に出してはいけません!
じゃあどうやって捨てればいいの?

リチウムイオン電池が使われている製品の主な捨て方は大きく2つ。
① 自治体回収に出す

自治体で回収している場合は、
指定の方法・曜日を守って出してください。
※一部自治体では回収していないこともあるのでご確認ください
② 小型家電回収BOXに入れる

家電量販店やホームセンター、スーパー等にある「小型家電回収BOX」に入れることもできます。
小型充電式電池のリサイクル活動を推進する
団体「一般社団法人JBRC」により、
様々な小売店に回収BOXが設置されています。
どこに設置されているかは、
こちらから検索できます!
⚠ ただし!
電池が膨らんでいる・破損や液漏れしているなどの場合は通常の出し方ができない場合が多いので、お住まいの自治体に問い合わせるのが安全です!
💡
ワンポイント
「絶縁処理」をしてから出そう!
製品から電池だけを
簡単に外せるような場合は、
取り出した電池を「絶縁処理(電気を通さないための処理)」をしましょう!

※製品と電池が一体になっている場合は絶対に無理な解体をしないでください

★絶縁処理のやりかた
電池の電極や金属の端子部分、リード線をおおうように絶縁テープや一般的なビニールテープなどを貼り付けてください。
出典:(一財)JBRC『小型充電式電池 安全回収のハンドブック』
💡 ちなみに:何もしてないのに発火のリスクがある!そんなときに備えて…
近年、「カバンの中に入れていたモバイルバッテリーが突然発火した!」みたいなニュースもありますよね。
繰り返し充放電することによる内部の劣化で、
特に不適切な扱いをしていなくても発火することがあります。
飛行機や電車の中とか、
自宅で保管してるときとか、不安すぎる!
ということで、
私は特にモバイルバッテリーを
「耐火ポーチ」に入れています!
▲私が使っているポーチは最大耐火温度1,200度!防水仕様でもあります。
万が一に備えて、
発火対策しておくのもアリかもしれません!
最後に:リチウムイオン電池はリサイクルできるの?

家庭から回収されたリチウムイオン電池は
専門の処理施設で分解され、
コバルト・ニッケル・銅などの
金属が取り出されます。
これらの金属は再び他製品の
材料としてリサイクルされます。
とはいえ、リチウムイオン電池のリサイクルは
実はまだ発展途上。
構造が複雑で種類も多いため、
含まれる金属をすべて効率よく回収するのは簡単ではなく、コストがかかるという課題があります。
今後は電気自動車の普及などで
ますます処理量が増えることが予想され、
リサイクル技術の開発が急務となっています。
あとがき
今や生活になくてはならない
リチウムイオン電池ですが、
その高性能ゆえのリスクがあるということが分かりました。
適切な扱いや処分方法を
徹底することはもちろん、
普段の持ち運びや保管、
状態の変化などにも気を配っておくと良さそうです!
とはいえ、
リチウムイオン電池によって
これからもっといろんな製品が生まれたり
安全性も含めた開発が進んでいくと思うので、今後の進化が楽しみですね✨
参考サイト・記事:
環境省 / 一般社団法人JBRC / 一般社団法人プラスチック循環利用協会 プラスチックのはてな「リチウムイオン二次電池の開発〜吉野先生インタビュー」 / サイエンスポータル「ノーベル化学賞受賞までの道のりと未来の産業革命 —リチウムイオン電池の開発経緯とこれから」 / 村田製作所公式サイト 技術記事 / 一歩先への道しるべ「リチウムイオン電池はなぜ発火する?開発を先駆けた日本人技術者が事故増加の背景を解説」
この記事を書いた人
ぐるっとポン事務局
まつ
ついつい充電しっぱなしでスマホをいじってしまいますが、バッテリー劣化の原因!

安全のためにもスマホを長持ちさせるためにも気を付けないとですね💪




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